風の詩
あれは2週間ほど前のこと。
私は珍しく夜遅くまで学校に残っていた。
溜まっていた課題を終わらせるためだった。
思っていたより長引いたためバスを逃し、
家もそう遠くないので歩いて帰ることにした。
夜だろうと関係ない繁華街のネオンに
少し鬱陶しさを感じながら
横をすれ違うカップルたちを横目に歩いた。
すると少し遠くの方から聞き慣れた声がした。
私にはすぐわかったんだ。
ママ…そして
知らない男。