闇の向こう側で~あなたの光を~

一瞬だけ静かになったからか、遠くのお祭りの音がよく聞こえる。



海と陸はもうさっきと比べ物にならないくらいに震えてるの。

放っておけるわけがないでしょう?


陸「みうぅ……」

か細い声で私の名前を呼ぶ陸が壊れそうで怖い………。

海も声は出さないものの震えが止まらない。



「大丈夫よ、もう少しだけ我慢できる?」



微かに頷いたのを確認して女達に向き直った。

龍も、

隼人も、

慎も、

優悟も、

紫音も、

それに海と陸だって女の人が嫌いなのよ?


嫌がってるのが分からないのかしら?




「いい加減にしてください」




きっぱり言い放った言葉にさっきまで固まっていた女の人達が怒りだす。




これ以上、皆の傷口を抉らないで……。

皆、過去に何かあったんだから。

辛いことがあったんだから。

苦しんだんだから。

……いいえ、今も苦しんでる。



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