オレンジ色
1.最悪の印象、出会い
 青い空が俺の眠気を誘う午後の授業。だるい。だるいだるいだるい。
こんないい天気だってのに小難しい数学の公式なんか頭に入るわけがないって、どうして気付かないんだろう。文部省はどうかしてる。

 あんな短い冬休みなんてもんを作るぐらいなら、ゆっくり寝れる春休みを増やしてくれ。

 そんなのは、俺の勝手な意見だけどさ。

「・・・なぁ、シン?起きてる?帰りゲーセン行かね?」

 後ろから俺の背中をシャーペンで突きながらそう声をかけて来たのはカズだった。

みんなからカズって呼ばれてるだけにたまに本名忘れそうになるけど。覚えてる必要も別にないか。

「何か新しいゲームでも入ったのか?」

「TEKKAMAN4が出たの知らないのか?」

 あぁ…それか。

「俺、昨日やってきた。」

「何だよ~…誘ってくれよ~やりたくて仕方ないんだよ~・・・」

 両手をすり合わせながらそう言うカズを横目に先生をちらっと見た。まだ気付いてない。

「とにかく、その話休み時間な。」

 こういうこと言うから変なとこバカマジメとか言われるんだろうけど。
おっかなびっくり話してたっておもしろくない。堂々と話せる時に話せばいい。

 カズはそんな俺の性格わかりきってるヤツだから。にかっと笑ってノートに目を移してくれた。

俺もノートに目を移す。

 自分でも、ソンな性格だな、って。たまに思う。
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