オレンジ色

「シンー!でさ、さっきの話だけど。一緒に行かない?」

 休み時間になるなりさっそくそう声をかけて来たカズに、座ったまま振り向いて。

「悪ぃ、やっぱ今日は帰るわ。」

 断りの言葉を返した。

「ええーっ!どうしてだよ~いいじゃん、少しだけ、な?」

 授業中に行こうかどうしようか悩んだけど。

「俺、気まぐれだからさ。何か今日は気分じゃないんだよな。」

 自分の気分には勝てない。

「そっか。。じゃ、明日気分が乗ったら一緒に行こうぜ?」

「ん。それならOKだよ。なるべく気分乗るようにするー」

 こんなわがまま言えるのはカズだけだ。他のヤツには絶対に言わない。というか、言えない。多分言った時点で友情終わるだろうと思うし。

せっかくなら気持ちのいい友達づきあいしたいと思う。

 考えてること滅茶苦茶でも、これが俺。
 ソンな生きかたしてても、これが俺。
< 2 / 87 >

この作品をシェア

pagetop