オレンジ色
「あれ?・・・なぁ、シン。」
「だから、勘違いだったんだってば、何でもないってば!」
「いや、そうじゃなくて。あそこにいるのってこの間の人じゃないか?」
・・・え?この間の人って、一人しかいない。
カズの指さした方向を見ると、あの本屋の前で、この間見かけた彼女と一緒に本を選んでる祐也がいた。
やっぱり、彼女ってあの人のことなんだな。
「カッコイイ男は得だよなー」
特に興味もなさそうにそうつぶやいたカズの存在すら忘れて、俺はふらふらと本屋に向かって歩き出した。
「ちょっと、シン?待てよ、俺も行くって!」
カズが何か叫んだ気がしたけど、その言葉は俺の耳には入って来なかった。
久しぶりに見る祐也は、いつもと変わらない祐也のはずなのに。
変わったのは、俺の方なんだろうか。
「あ、シン。久しぶりだね。」
彼女を気にもせず、俺を見つけると祐也が駆け寄って来た。
本屋の前。何をするでもなく、ただ、祐也の顔を見ていた。
「シン?」
この気持ちは、何だ?
「おーい。」
心拍数が上がって、息苦しくなる。
「シン?どうした?シン?」
カズが俺の体を揺すって、周りの景色が目に飛び込んで来た。
「あっ…えっと…さよなら!!」
どうしたらいいのかわからなくなって走り出した。
「は!?ちょっと、シン待てよ!!」
後ろから聞こえて来たカズの声にも、止まれなかった。
早くその場所から立ち去りたかった。
そういえば初めて真っ正面から見た彼女の顔。
とても綺麗な人だって印象だけで、どんな顔だったのかなんて覚えてない。
気付きたくなかった。
認めたくなかった。
会いたいなんて思ったことも、一緒にいたいなんて思ったこともなかったけど。
心の中で、本当はずっと会いたいって思ってたような気がする。
恋、恋、恋。
「だから、勘違いだったんだってば、何でもないってば!」
「いや、そうじゃなくて。あそこにいるのってこの間の人じゃないか?」
・・・え?この間の人って、一人しかいない。
カズの指さした方向を見ると、あの本屋の前で、この間見かけた彼女と一緒に本を選んでる祐也がいた。
やっぱり、彼女ってあの人のことなんだな。
「カッコイイ男は得だよなー」
特に興味もなさそうにそうつぶやいたカズの存在すら忘れて、俺はふらふらと本屋に向かって歩き出した。
「ちょっと、シン?待てよ、俺も行くって!」
カズが何か叫んだ気がしたけど、その言葉は俺の耳には入って来なかった。
久しぶりに見る祐也は、いつもと変わらない祐也のはずなのに。
変わったのは、俺の方なんだろうか。
「あ、シン。久しぶりだね。」
彼女を気にもせず、俺を見つけると祐也が駆け寄って来た。
本屋の前。何をするでもなく、ただ、祐也の顔を見ていた。
「シン?」
この気持ちは、何だ?
「おーい。」
心拍数が上がって、息苦しくなる。
「シン?どうした?シン?」
カズが俺の体を揺すって、周りの景色が目に飛び込んで来た。
「あっ…えっと…さよなら!!」
どうしたらいいのかわからなくなって走り出した。
「は!?ちょっと、シン待てよ!!」
後ろから聞こえて来たカズの声にも、止まれなかった。
早くその場所から立ち去りたかった。
そういえば初めて真っ正面から見た彼女の顔。
とても綺麗な人だって印象だけで、どんな顔だったのかなんて覚えてない。
気付きたくなかった。
認めたくなかった。
会いたいなんて思ったことも、一緒にいたいなんて思ったこともなかったけど。
心の中で、本当はずっと会いたいって思ってたような気がする。
恋、恋、恋。