オレンジ色
人の波をすり抜けて、得に何を話すでもなく、駅に向かって。
少しづつ、祐也に気付かれないように呼吸を整えて、冷静に戻った時に、思い出した。
昼間、「進んで食べたいとは思わない」って言ったのは、全然間違っているというほどの嘘でもなかった。甘いものをずっと食べてるとイヤになってくるのは事実。
そんなことを今頃思い出しても、祐也に言う気にはなれなくて。
言ってしまったら、一緒にいられなくなるって、そう思って、我慢した。
恋って、我慢すること…?
「あぁ、やっぱり少し並んでいるみたいだね。どうしよう。」
駅前のクレープ屋の評判は、もうこのあたり一帯に広がっているようで、色んな制服の学生やら主婦やらが、店の中にいるのが見えた。
どうしようと言いながら、俺の方を見た祐也に返す言葉は一つしかなかった。
「いいよ、待ってようよ。」
それだけ、一緒にいられるっていうこと。
それを俺が拒否する理由なんか、どこにもない。
「そうだね、それじゃ、並ぼうか。」
祐也は待つことに問題はなかったのだろうか。
祐也の意見を先に聞かずに決めてしまったことが、俺をどこか忍びない気分にさせた。
少しづつ、祐也に気付かれないように呼吸を整えて、冷静に戻った時に、思い出した。
昼間、「進んで食べたいとは思わない」って言ったのは、全然間違っているというほどの嘘でもなかった。甘いものをずっと食べてるとイヤになってくるのは事実。
そんなことを今頃思い出しても、祐也に言う気にはなれなくて。
言ってしまったら、一緒にいられなくなるって、そう思って、我慢した。
恋って、我慢すること…?
「あぁ、やっぱり少し並んでいるみたいだね。どうしよう。」
駅前のクレープ屋の評判は、もうこのあたり一帯に広がっているようで、色んな制服の学生やら主婦やらが、店の中にいるのが見えた。
どうしようと言いながら、俺の方を見た祐也に返す言葉は一つしかなかった。
「いいよ、待ってようよ。」
それだけ、一緒にいられるっていうこと。
それを俺が拒否する理由なんか、どこにもない。
「そうだね、それじゃ、並ぼうか。」
祐也は待つことに問題はなかったのだろうか。
祐也の意見を先に聞かずに決めてしまったことが、俺をどこか忍びない気分にさせた。