オレンジ色
4.進展、迷い
「本当に?すごいじゃん。」
昼休み、快晴。屋上で一緒にパンをかじっていたカズが叫んだ。
「別にすごくはない。」
昨日の一連の出来事を話すと、カズは本当に嬉しそうな顔をした。
すごいことなんかじゃない。
普通に、友達同士でやるようなことをしただけ。
祐也は俺のことをきっとそういう風に思ってるに違いないから、俺もそう思う。
「でもお前、甘いのダメって言ってなかったっけ?」
「ダメだよ。」
「でも、クレープ食ったんだろ?」
「帰ってからリバース」
「そうなのか。」
それが、昨日の出来事の結末だ。ロマンも何もない。
帰ったら急に気持ち悪くなって、そのまま戻した。無理して食べなければよかったって、後悔先に立たず。
でも、それさえ。気持ち悪くて戻したイヤな思い出さえ、祐也と一緒にいた証なんだと思う自分が、何だか情けない。
「少しは脈あるんじゃないのか」
そう言ったカズの言葉を、俺は聞こえていないフリをした。
脈なんかない。ただ、俺が期待するだけだ。
祐也にとっては、普通の仕草。もしかしたら、俺をハメて楽しんでるのかもしれないけど、俺からしたら、ドキドキする仕草ばかり。
祐也は、俺のこと何とも思ってない。
「ところで、相沢とはどうなんだよ。」
そう尋ねると、今までの会話なんて全部忘れたように、にっかり笑顔を浮かべてカズが話し始めた。
昨日、相沢と一緒に帰ったらしく、そのことをずっと。楽しそうに。
俺も笑ってその話を聞いた。
片思い同志のはずなのに、どうしてカズはこんなに楽しく相手のこと話せるのに、俺は暗い顔でしか祐也の話が出来ないんだろうって思ったら、うらやましくなる。
こんなの言い訳かもしれないけど。
どうして俺は女の子に生まれて来なかったんだろう。
こんなの、不公平だ。
昼休み、快晴。屋上で一緒にパンをかじっていたカズが叫んだ。
「別にすごくはない。」
昨日の一連の出来事を話すと、カズは本当に嬉しそうな顔をした。
すごいことなんかじゃない。
普通に、友達同士でやるようなことをしただけ。
祐也は俺のことをきっとそういう風に思ってるに違いないから、俺もそう思う。
「でもお前、甘いのダメって言ってなかったっけ?」
「ダメだよ。」
「でも、クレープ食ったんだろ?」
「帰ってからリバース」
「そうなのか。」
それが、昨日の出来事の結末だ。ロマンも何もない。
帰ったら急に気持ち悪くなって、そのまま戻した。無理して食べなければよかったって、後悔先に立たず。
でも、それさえ。気持ち悪くて戻したイヤな思い出さえ、祐也と一緒にいた証なんだと思う自分が、何だか情けない。
「少しは脈あるんじゃないのか」
そう言ったカズの言葉を、俺は聞こえていないフリをした。
脈なんかない。ただ、俺が期待するだけだ。
祐也にとっては、普通の仕草。もしかしたら、俺をハメて楽しんでるのかもしれないけど、俺からしたら、ドキドキする仕草ばかり。
祐也は、俺のこと何とも思ってない。
「ところで、相沢とはどうなんだよ。」
そう尋ねると、今までの会話なんて全部忘れたように、にっかり笑顔を浮かべてカズが話し始めた。
昨日、相沢と一緒に帰ったらしく、そのことをずっと。楽しそうに。
俺も笑ってその話を聞いた。
片思い同志のはずなのに、どうしてカズはこんなに楽しく相手のこと話せるのに、俺は暗い顔でしか祐也の話が出来ないんだろうって思ったら、うらやましくなる。
こんなの言い訳かもしれないけど。
どうして俺は女の子に生まれて来なかったんだろう。
こんなの、不公平だ。