オレンジ色
「な、祐也。これで俺たちが会ったのって何回目?」
「何、突然。」
ふと気になって尋ねたけど、自分では何回目なのかわからなかった。
「何回目?教えてよ。」
特に表情を変えないで言った俺の目の横に、隣で指折り数える祐也の姿が映る。
まだ、片手ぐらいしか、会ってないと思う。
「ごめん覚えてない。」
しばらくして返ってきた答えはそれだった。
「そ。」
「だから、今日から数え直そう。」
「え?」
祐也の提案の意味がわからない。今日から?
「今日で、一回目。次会ったら2回目。忘れないように毎回会ったら何かにチェックしようか。」
そこまでしてくれなんて頼んでない。
「いや、ちょっと気になっただけだから、いいよ。」
申し訳なさが込み上げてきた。
「そうじゃなくて、おもしろそうじゃない。」
おもしろそう?
「何が?」
「会うの何回目か数えたことって今までないし。シンとは毎日会えるわけじゃないからさ。」
祐也が何を考えてるのかはやっぱりわからないけど。
おもしろそうな気はしてきた。でも。
「何かにチェックするって、何にチェックするの。」
そう返した俺の言葉に、祐也の人差し指がほっぺたに触った。
「会うたび何か買っていくっていうのもめんどうだよね…」
俺に聞こえるか聞こえないかぐらいの独り言で祐也がそう言って。
俺もチェックする方法考えたけど、何も浮かばない。
その時。
「交換ノートでもするか。」
冗談のつもりで笑ってそう言ったら、祐也が。
「あ、それいいね。じゃ、今からノート買いに行こう。」
「い、いや、冗談だって。」
「どうして?すごくいいと思うけど。」
ちょうど小降りになってきた時に、祐也が俺の隣をすり抜けて走り出した。
「ちょっと待ってて」
そう叫んだ祐也の声が、ギリギリ聞こえたような気がした。
「何、突然。」
ふと気になって尋ねたけど、自分では何回目なのかわからなかった。
「何回目?教えてよ。」
特に表情を変えないで言った俺の目の横に、隣で指折り数える祐也の姿が映る。
まだ、片手ぐらいしか、会ってないと思う。
「ごめん覚えてない。」
しばらくして返ってきた答えはそれだった。
「そ。」
「だから、今日から数え直そう。」
「え?」
祐也の提案の意味がわからない。今日から?
「今日で、一回目。次会ったら2回目。忘れないように毎回会ったら何かにチェックしようか。」
そこまでしてくれなんて頼んでない。
「いや、ちょっと気になっただけだから、いいよ。」
申し訳なさが込み上げてきた。
「そうじゃなくて、おもしろそうじゃない。」
おもしろそう?
「何が?」
「会うの何回目か数えたことって今までないし。シンとは毎日会えるわけじゃないからさ。」
祐也が何を考えてるのかはやっぱりわからないけど。
おもしろそうな気はしてきた。でも。
「何かにチェックするって、何にチェックするの。」
そう返した俺の言葉に、祐也の人差し指がほっぺたに触った。
「会うたび何か買っていくっていうのもめんどうだよね…」
俺に聞こえるか聞こえないかぐらいの独り言で祐也がそう言って。
俺もチェックする方法考えたけど、何も浮かばない。
その時。
「交換ノートでもするか。」
冗談のつもりで笑ってそう言ったら、祐也が。
「あ、それいいね。じゃ、今からノート買いに行こう。」
「い、いや、冗談だって。」
「どうして?すごくいいと思うけど。」
ちょうど小降りになってきた時に、祐也が俺の隣をすり抜けて走り出した。
「ちょっと待ってて」
そう叫んだ祐也の声が、ギリギリ聞こえたような気がした。