オレンジ色
「交換ノート?」


 昼休み、屋上。カズと一緒にサンドイッチをかじりながら、昨日の出来事を話していた。出来事ってほどでかいことがあったとは思ってなかったけど。

それでも、カズに話してみたら、昨日のことが現実なんだと思い知らされる。

「次会った時に、渡してくれるってさ。」

「内容は?どんなこと書くんだ?」

「知らない。」

 想像もつかない文面を想像してみる。

“何を書けばいいのかな。”
“今日学校でこんなことがあって”


 想像して俺が吹き出したのとほとんど同時に、カズも笑った。

多分カズも同じようなことを想像したんだろう。お互い目を合わせてまた笑った。

「でも二人だけの秘密みたいでいいよな。」

 そう言ったカズの言葉の中に、うらやましいって思いが見え隠れした。

 カズも、相沢とそういうことしたいって思うんだろうか。


…思わないわけがないか。
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