オレンジ色
 久しぶりにカズと遊んだこともあって、何だか長くなってしまった。

いつもなら18時にはゲーセン出てバイバイコースなのに、気付いたら19時半を回っていた。一緒に遊んでたのがカズだったからってのもあるんだろうな。

 やっぱり気心しれてる友達と一緒って、どこか安心する。

「悪ぃな、遅くまで付き合わせちまって。」

 もう暗くなった空をバックにカズが言う。

「何言ってんだよ今更。」

 少しの笑みを浮かべてそう返すと、カズもつられるように笑った。

「ついでだし、どっかでメシでも食って行かね?それともお袋さんメシ作っちまってる?」

 カズにこういう誘いをされることも、何か久しぶりだ。

「いや、作ってるだろうけどいいよ、腹減ったし食ってこうぜ。」

 カズの家は、母親の仕事が夜までかかるから、一緒に食ってやりたいって思うけど。

 同情なんてしてんのバレたら怒られるから、言わない。


「じゃ、そこのファーストフードでいいか?」

「あ。俺最近ここ行ってないから食いたい。」

 話し合いなんてのはほとんど存在しない関係。やっぱこれが、いい。

 ファーストフードに入ってセット頼んで席に座って、ドリンク飲んで。

授業のことだとか先生のことだとかクラスのヤツのことだとか話す。カズとは共通の話題がゲームしかないはずなのに、どうしてこんなに盛り上がるんだろうってたまに思う。

 やっぱりそれは条件的な部分がでかいからなんだろう。

同じクラスで同じ時間を共有してて同じ授業聞いて同じ時間に下校。話題はなくならない。なくなるはずがない。
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