私のとなり、俺のとなり。
「いやー好きになったならしょうがないよ!諦める!頑張ってね!」


乃愛ちゃん……?

何でそんなことを言うの?

嫌じゃないの?

好きな人を……応援するって言ってた友達が……矢田君を好きにになったんだよ?

私は精一杯涙をこらえている乃愛ちゃんを見て

「ごめんね……ありがとう」

と、呟くしかなかった。

私が泣いちゃいけない。

一番泣きたい人がいるんだから。

笑って。

私は立ち尽くしている乃愛ちゃんの事を通り越して、屋上の扉のドアノブに手をかけた。
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