私のとなり、俺のとなり。
ーガタンゴトン。


うぅ。満員電車は苦手だぁ…。
おじさんの臭いとか…苦手だなぁ。


私のお父さんはすごいきれい好きだから変な匂いはしないんだけどさ。


私と光輝は空いてる席がなかったからドアの前で立っている。

ガタンッ

「キャッ」

大きく揺れた。


それにしても、こんなに人がいるのにあんまりぶつからないなぁ。

ドアの前だから?

ガタンッ

「……っ!!」

光輝が痛いのか、顔を歪めた。

分かった。私が人にぶつからない理由。

光輝が守ってくれてるからだ。

そして光輝が顔を歪めた理由。

私を守ってくれるのに必死でぶつかったからなんだ。
いろんな人と。


……ありがとう。言葉にできなかった。

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