私のとなり、俺のとなり。
5分がたった。

長いなぁ。さっきより人は減ったけど、まだ多いよぉ…。


光輝は電車のドアに両手をついて、私にスペースをつくってくれてる。

いても立ってもいられなくて。


「光輝…痛いでしょ?もっと近づいていいって…」

「ハァ…お前一応女なんだから…怪我とかしたら大変だろ」

「でも…」

「いいから!お前はおとなしく立ってろ」

むっ。
なんだよー。せっかくきを使ってあげたのにぃ~!

私は人差し指て脇のちょっと下らへんをツンツンッとした。


そしたらー

「おぅわっ!…おまっ…何して…!あははははっ!」

もう私は両手で横腹をコチョコチョコチョッ!!とくすぐった。

「ハァ…ハァ…わかった!ほら…電車だから…大きい声…出せねーからっ…」

「うむ。それもそうだな!許してやろう!じゃあ、そんなスペースつくなんくていい」

「じゃあどんぐらいだよ」

「こんぐらいっ!」

私は光輝の腕をグイっと引っ張って、私と光輝の距離は5㎝。

「ち、ちょっと近い……?」

「……いや。こんぐらいのほうがいい。まもりやすい」

光輝は優しく微笑んだ。


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