私のとなり、俺のとなり。
矢田直紀(やだなおき)

「その人がどうかしたの?流多君の知り合い?」

優夏が聞くと……

「んーん。違う。こいつが朝言った、めっちゃくちゃモテて、俺から見てもかっこいいヤツ」

……そういえばそんなこといってたな。


「まぁ、見ててみ。同じクラスなら嫌でも見るだろ。ぜってー惚れるぞ」

「ぜってー惚れない」

「あたしも……流多君一筋だしっ」

優夏がボソッとあたしに耳打ちしてくる。

クスッと二人で笑い合うと
「キャーーーっ!」

と、黄色い声がした。

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