ソラ
今日みたいに日差しが強くて、額や背中に汗が伝っていくのがはっきり分かった。

息が苦しくなっても、体に入ってくる空気は生温くて、いくら吸っても楽にならない。

それでも、オレの頭の中は彼女の泣きそうな顔で一杯だった。


駅が視界に入って、オレは冷静になって足を止めた。

 オレに何が出来る?
 なんて声をかけるつもりだった?

でも、もう遅いか。
 ここまで来たら、やるしかないだろ!


彼女はさっきと同じベンチに座り、悲しい顔をしていた。

さすがに同じベンチに座ることは躊躇した。
とりあえずオレは、隣のベンチに座り様子を見ることにした。



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