ソラ
「あのさ!!」

オレはベンチから勢いよく立ち上がって叫んだ。

「オレでよかったらいつでも話、聞きますから! 苦しくなったら言ってください!!」


その時、初めて彼女の本当の笑顔を見た。

大きかった目が細くなり。
頬にはえくぼが出来る。

 綺麗な顔で笑うんだな。


「ありがとう。僕、松田早苗!」

「オレ、桜井虎太郎です。」


電車の発車を告げるベルが聞こえた。
早苗は小さく手を振ると、駅の中へ消えていった。



こうして、オレ達の日々が始まった。
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