生まれたての放課後。
こごえた君と、おなじいろ
使い古しの、キズだらけの言葉だけど
それでもきみをあたためたいと思った
*
「……茶倉になら、いいかもなあ」
白くてやわらかい雪が 不安定に舞う頃、彼はつぶやいた。
マフラーに顔をうずめて空を上目づかいで見る彼の表情には、見覚えがあった。
あの日もこんな冬だった。
わたしは彼にあの言葉を、言ってしまいそうだった。
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