クール女子と大泥棒が恋すると、




「でも……」


陽が心配そうに私を見上げる。


かわいい……。


私は陽を思いっきり抱き締めた。


「お前、弟にたいしては甘いのな。」


横から千歳が口を挟む。


「陽は家族だから。」


千歳は少し目を細めた。



「陽がうらやましいな。」



ポツリと千歳は呟いた。



千歳に家族はいないの?

お世話になった人とか、

恋人…………とか……



思ったけど聞かなかった。




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