クール女子と大泥棒が恋すると、
「おっと、自己紹介してなかったな。わりぃ」
「い、いえ……」
『にいみさん』は私の方に向き直った。
「俺は新見正義(にいみ まさよし)。
正義って書いてまさよしって読むの。
犯罪者に最もにつかわない名前。」
そう言うと、新見さんはいたずらっぽく笑った。
やっぱりこの人も犯罪者なんだ……。
「千歳のパパ、って言いたいところだけど……
俺はこいつの保護者。
ボスに任命された。
こいつとおんなじ組織の情報屋。」
「情報屋……」
「君は?」
「あ、えっと、瀬川伊緒です。
千歳とおんなじクラスで「いいよ、伊緒。」
途中で千歳に遮られた。