クール女子と大泥棒が恋すると、




「目。仕事モードに入ってるぞ。」


「こっちが本来の目です。」



紗夜が死んだあと、

俺は普通の高校生の目になるよう練習した。



でも集中したり、我を忘れるとあの目に戻ってしまう。




「どうして……

伊緒に電話なんてしたんですか……」




「昔言ったろ?

お前はもっと学ぶべきだ、って。」



「………………。」



「……伊緒ちゃんはお前を知ろうとしてくれているんだろ?


なんで話さないんだ。」



「……無駄ですよ。どうせ軽蔑される。」



「……伊緒ちゃんになんて言ったのか知らねぇけど、

普通の人なら話を聞こうとすら思わないぜ?」






< 158 / 323 >

この作品をシェア

pagetop