クール女子と大泥棒が恋すると、
「目。仕事モードに入ってるぞ。」
「こっちが本来の目です。」
紗夜が死んだあと、
俺は普通の高校生の目になるよう練習した。
でも集中したり、我を忘れるとあの目に戻ってしまう。
「どうして……
伊緒に電話なんてしたんですか……」
「昔言ったろ?
お前はもっと学ぶべきだ、って。」
「………………。」
「……伊緒ちゃんはお前を知ろうとしてくれているんだろ?
なんで話さないんだ。」
「……無駄ですよ。どうせ軽蔑される。」
「……伊緒ちゃんになんて言ったのか知らねぇけど、
普通の人なら話を聞こうとすら思わないぜ?」