クール女子と大泥棒が恋すると、
「紗夜さんだって…………きっと……」
どうしてか、うまく言えない。
お母さんのときみたいに言えばいいだけなのに。
それはきっと……
嫉妬ってやつだ。
「紗夜さんは、千歳のために死ねて、本望だったと思うよ……」
「っっお前に何が分かる!!!」
「分かるよ!!!!」
私の間髪入れない反論に千歳は驚いていた。
「っ私も、千歳が好きだから!!
千歳のために死ねるなら、本望だから!!」
ああ、もう、何言ってんだよ……
私は千歳を優しく抱きしめた。