クール女子と大泥棒が恋すると、
「ああ、これ。」
写真はビーチで撮ってもらったやつ。
手前に私と千歳と陽、海辺で新見さんがはしゃいでいる。
私と陽はもちろん笑っていない。
楽しくないんじゃない。
そういう顔なんだ。
「俺ばっか楽しそーでバカみたいだろ!?」
「私も陽も楽しかった。
表情が乏しいだけ。」
「おいおい!俺だって海辺で輝かんばかりの笑顔を浮かべてるじゃねぇか!」
「新見さんはいいです。どうでも。」
「千歳ぇ…………」
「気持ち悪いですっっ!!」
朝からこの二人は何のコントをやっているんだろう。
結局、その日の内に新見さんは帰っていった。