クール女子と大泥棒が恋すると、
次の日。
お母さんには近所の仲が良かった人達も連れていく、と電話で話した。
新見さんの運転する車に揺られ、私たちはあまり会話もせず、空港に向かった。
****
「伊緒!陽!」
「あ、お母さん。」
空港でお母さんは私を抱き締めた。
「苦しい。」
「元気にしてた!?もうっ、相変わらず感動とかないんだから!」
陽は新見さんの隣で私たちを遠目に見ていた。
「陽も、久しぶり!おっきくなったんじゃない?」
「うん……」
陽は新見さんのスボンをキュッと握った。
「えっと……伊緒、そちらの方々は?」
「新見さんと千歳。
近所に住んでる人で陽と仲良くしてくれた人たち。」
「あらあら、わざわざお見送りに来ていただいてありがとうございます。」
「いやぁ、俺たちも伊緒ちゃんにご飯ご馳走してもらったりしましたから!ハハハ……」
新見さんが社会人っぽい!(←失礼)
お母さんは時計をチラッと見て言った。
「陽、そろそろ飛行機乗らないと。
新見さんと千歳くんにお別れして?」
「うん……」
陽は新見さんと千歳のほうを向いた。