クール女子と大泥棒が恋すると、




「陽、向こう行っても元気でやれよ?

寂しくなったらいつでも帰ってこいよ?」



新見さんの言葉に陽は黙って頷いた。



「陽。」



千歳がしゃがみこんで陽に声をかけた。


陽の小さな頭を千歳はぐしゃぐしゃに撫でた。


「夏休みには帰ってこいよ。

伊緒のことは俺に任せて、安心して行ってこい!」





「………………」




陽はうつむいたまま顔を上げない。




「…………っ……ううっ、ふっ……」


えっ!


陽が泣いた!!



陽はこぼれ落ちる涙を一生懸命ぬぐった。





< 192 / 323 >

この作品をシェア

pagetop