クール女子と大泥棒が恋すると、
「陽、向こう行っても元気でやれよ?
寂しくなったらいつでも帰ってこいよ?」
新見さんの言葉に陽は黙って頷いた。
「陽。」
千歳がしゃがみこんで陽に声をかけた。
陽の小さな頭を千歳はぐしゃぐしゃに撫でた。
「夏休みには帰ってこいよ。
伊緒のことは俺に任せて、安心して行ってこい!」
「………………」
陽はうつむいたまま顔を上げない。
「…………っ……ううっ、ふっ……」
えっ!
陽が泣いた!!
陽はこぼれ落ちる涙を一生懸命ぬぐった。