クール女子と大泥棒が恋すると、
千歳が過去を話してくれたあの日から、
もうこの目はしないと思ってたのに……。
まだ……だったんだね……。
その目に映ってるのは、私じゃない。
私じゃなくて。
紗夜さん。
千歳のあったかい手が私の頬に触れる。
嫌だ……。
触らないで……。
私を紗夜さんだと思って触らないで。
「さわらないでっ!」
私は千歳の手を振りほどいていた。
キョトンとした千歳は紛れもなく私を見ている。
「い……お……?」
やだよ。
悲しいよ。