クール女子と大泥棒が恋すると、
「……っ……伊緒……」
目をまんまるくして私を見ている。
ごめん……。
私……もう……
「……もう二度と、
間違えちゃダメって
言ったのに……」
「伊緒……ごめん……」
「もう……
限界だよ…………」
千歳が悲しそうな顔をした。
でも、もうこれ以上耐えられない。
紗夜さんを見る千歳を見るのは耐えられない。
「出てって。」
「伊「出てって!!!」
「……分かった…………」
千歳は部屋から必要最低限の包みと、
刀の鞘、
冷蔵庫から分厚い封筒を取り出して、
出ていった。
バタンッ
と鳴り響くドアの音が
容赦なく私の目から涙を落とさせた。