クール女子と大泥棒が恋すると、
「はじめまして。宮野千歳くん。」
後ろを振り返ると、立っていたのは一人の長い黒髪の女。
今時珍しく、着物を着ていた。
「……えっと…………」
「ああ、ごめんなさい。
急に名前を呼ばれてもビックリするわよね。
そうね…………
あなたのことは知り合いに聞いたの。
仕事を探しているんですって?」
「……別に仕事がしたいんじゃなくて、
生活するためのお金が欲しいんだ。」
「……小さいのに偉いわねぇ……。
お姉さん、協力するわ。」
「ホント!?」
「ええ。私のことは『ボス』とでも呼んで?」
「うん!ボス!!どうすればお母さんを助けられるの!?」
ボスは小さく微笑み、僕に鉄砲を渡した。