クール女子と大泥棒が恋すると、




「なんだよ、反抗期じゃなかったのかよ。」


『家がなくなりました。』


「ハハ……なんだそれ……」



どうしよう……。


伊緒といるのウザイ、とか言われたら……



不安げに新見さんを見るけど、新見さんはお構いなしに話し続ける。




「んで、それまたなんで?」



『……伊緒に出てけ、って言われました。

さすがにアパートの隣に行くわけにもいかず……。』



「はーん……。んで?今どこにいんのよ。」



『近くの河原です。

家に泊めてください。

仕事なら帰ってくるまで家の外で待ってます。』



「無理だな。3日は帰れない。

伊緒ちゃんに何したんだよ。」



電話の向こうで小さく舌打ちの音が聞こえた。





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