クール女子と大泥棒が恋すると、
「おい」
自分でもあまりにも声のトーンが違うことに驚いた。
男は「ひぃっ」なんて言っている。
俺は男の腕を踏みつけ、銃口を向けた。
「よく聞け。
今、お前にGPS付き盗聴機を仕掛けた。
体の一部に付けたから服を脱いでも無駄だし、
そう簡単にとれない。」
「……っぐぅぅ」
男は悔しそうに唸った。
「……明日の朝5:00だ。
朝5:00ちょうどにここから一番近い交番に行って自首しろ。
被害者のことは覚えてないと言え。
もちろん俺のことも話すな。
話せば刑務所の中にいたとしても殺しにいく。
5:00から1秒でもずれたり、違う交番に行っても殺す。
分かったか。」
「……はいぃ……」
ふんっ
情けない野郎だ。
俺が優しくて良かったな。
俺は男をもう一度蹴飛ばして、伊緒の元へ向かった。