クール女子と大泥棒が恋すると、
「ちと……せ……」
「お前、起きてたの?」
私も千歳もビックリしてる。
千歳は私を立たせ、玄関の扉を閉めた。
リビングに入り、夕飯に手を付ける千歳。
「よか……っ……」
「ハ!?お前なんで泣いてんの!?」
「出ていかなくて……よか……った……」
意味わかんないという顔をしてる。
「ちと……せが、出ていったんじゃ……ないかと、思ってた……」
「そんなわけ……」
「千歳が……いなきゃダメなの……。
私は……千歳が好きだから……。
千歳がいなきゃ私がいる意味もないっ」
何も言わない……。
困ってるかな……。
もう聞き飽きたかな……。
ポツリポツリと音を立てて涙が床に落ちた。
その時、うつむく私の頭は千歳の肩の上に乗せられ、上を向かされた。
ああ、
千歳に抱きしめられるとすごくキューってなる。
ここが私の居場所ならいいのに、
って思う。