クール女子と大泥棒が恋すると、
「無理です。」
「うわ~、キョヒられた~……」
千歳はケラケラと笑っている。
「ホント、ごめんなさい。」
「いや~、こっちも無理なんだけど。我慢すんの。」
いやいやいや……。
私もダメですから!
「やっぱ前からの方がいいね。」
何勝手なこと言ってんだ!
「離れて。」
「や~だ」
千歳は私の顔に自分の顔を近づけてくる。
「わ、分かった。
じゃあ一回だけなら許す!」
「ちぇっ、仕方ねぇな……」
唇に来ると思い、目をつむったが、
千歳は私のセーターを少しずらし、
肩にキスを落とした。
「うわっ」
「ハハ……パニクってる。」
千歳は私を見ていたずらっぽく笑った。
怒る私の隙を見て、千歳は軽く触れる程度に私の唇にキスをした。
「ちょっ!2回目!!」
「おまけ。」
自分の唇に人差し指を当て、
「早く着替えろ」
と言って、部屋に入っていった。