クール女子と大泥棒が恋すると、



*****


昼休み。

校舎裏の物置小屋の影にて。



「あ、来たよ!伊緒!」



「見てればわかる。ていうかうるさい。」




ああ……。私も犯罪者になってしまった……。




「ごめんね……。こんなところまで来てもらって……。」


「別にいいけど。」



千歳はちょっと不機嫌そう。



柏木さんはもじもじしている。





「あの……私っ、千歳くんのことが好きなの!

千歳くん、私のこと目で追ってたよね……!」




言っちゃった……。




千歳、なんて答える?




千歳の回答を待つ。





「ああ、あんたか……。

そだね……。目で追ってたかも。」



あ……






ヤバい。






泣く……。











「ホントっ!?じゃあ、付き合ってくれない??」




千歳はポリポリと頭を掻いた。




「えっと……」





あれ、今、目が合ったかも……。






「ハ~、バカだなぁ。」



え、それ私のこと言ってるよね……!




「悪いけどさ。

俺が見てたの、アンタじゃなくてアンタの髪なんだよね。」




「か、髪……?」



「そ。意味ありげな行動して悪かった。

アンタのことは全く好きじゃないから。」




爽やかな笑顔でかなりひどいことを言う……。




「あ……ご、ごめんなさい!」




柏木さんは走ってその場から去った。






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