クール女子と大泥棒が恋すると、
「……私には母親の記憶がほとんどないから
千歳の本当の気持ちは分かってないかもしれない。
でも…………
私が溶かしてあげる。
まるでコーヒーにミルクが溶けるように。
今、千歳の中はお母さんとの悲しい思い出でいっぱいだけど、
私が紛らわせてあげる。
…………私が
私が愛してあげる。」
今までずっと固まっていた涙が、
糸が切れるようにフッと落ちた。
愛する、なんて
大層なことを言って……
「……返事は……?」
「……ん…………」
世界の色が変わった。