クール女子と大泥棒が恋すると、
新見side
「たっだいま~!!」
長い仕事を終え、家に帰ると、驚愕の景色が俺の前に広がった。
部屋は綺麗に掃除されていた。
それに紗夜がまだ家にいる。
何より、千歳の目が…………
あんな絶望に満ち溢れた目をしていたのに、
今は普通の中学生の、純粋な目をしていた。
「お、お前ら…………一体何が……。」
「新見さん、お帰りなさい!」
紗夜が輝くような笑顔で俺を迎えた。
こいつが千歳を変えたのか……。
「全く……完敗だよ…………」
「……完敗……?」
「いや、なんでもない。
ケーキを買ってきたんだ。3人で食べよう。」
俺は手土産のケーキを机に出した。