クール女子と大泥棒が恋すると、
「本当に二人は仲いいですね。家族みたい。」
家族……ねぇ…………
「お前には家族がいないんだろ?」
「はい……。物心ついた頃には白鳥のビルにいたので。」
「じゃあ、俺がお前の父親になってやろうか?」
あれ、急に黙った……。
またあの笑顔が見られると思ったのに……。
「…………なーんちゃって!!」
その時、紗夜の目から一粒の涙が落ちた。
「!!!!」
無論、俺と千歳は初めて見た紗夜の涙に口を大きく開けるほかなかった。