クール女子と大泥棒が恋すると、





「ケホッ、ケホッ…………」


割れたバラの花瓶の前に紗夜は咳き込みながら座り込んでいた。



「おい、大丈夫か!?」


紗夜に近づき、背中をさする。


うなだれながら息を整え、口を押さえていた手を離した。



「……紗夜…………これ……。」




手のひらには紗夜の血が広がっていた。







< 46 / 323 >

この作品をシェア

pagetop