クール女子と大泥棒が恋すると、
次の日、俺と新見さんは紗夜を連れて病院に行った。
「ああ……ちょい待ち……。」
病院に入る直前に、新見さんはポケットを探った。
「……これ、昨日の夜作ってもらっんだ。」
新見さんが差し出したのは、保険証。
そうか……。紗夜は戸籍すらないのか……。
「……あ、ありがとう……。」
紗夜は、新見さんを父親にしてからは敬語を使わなくなった。
「よく見てみ?」
紗夜は保険証をよく見て、
目をキラキラさせて新見さんを見た。
『新見 紗夜』
「お前はもう俺の娘だからな。」
「新見さん大好きっ!!」
紗夜は新見さんに飛びついた。