クール女子と大泥棒が恋すると、




「これ、バラ持ってきといたから。」


「ありがとう!枯れないか不安だったの。」




バラを花瓶に差し、トゲに触れながら

「昨日は割っちゃってごめんね……。」

と呟いた。




「俺、紗夜の服とか家から持ってくるから、
ちょっと二人でいてくれ。」


「分かりました。」



新見さんは小走りで病室を出た。




「……紗夜はいつも何を祈ってんの?」


「えぇー……。」


俺を疑うような目で見た。


「なーいしょ!!」


「……なんだよ…………」




「……それよりごめんね……。手術代高いのに……。」


「いいんだよ。

どうせ使い道なくて寄付とかしてたし。」


「そうなの?」


紗夜は口を押さえてクスクスっと笑った。







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