クール女子と大泥棒が恋すると、





「これがパンジーで、こっちはアジサイ!」


紗夜は病院の中庭にある花を見つけては名前を呼んでいく。



「詳しいな。」


「本で見たの。」



そう言って、パンジーに優しく触れた。




「……手術、無事終わったら何か欲しいもんやるよ。何がいい?」



「えっ、ホント!?」



「ああ。」



「……んっと……じゃあ…………



海!千歳と新見さんと海に行きたい!!」



「海!?しかも新見さんも……?」



「そうだよ。何でも、って行ったでしょ?

私海に行ったことがないんだもの。

みんなで海に行ってみたい!」




新見さんもいるのは色々と不服だけど……



「分かったよ……。」



「やったぁ!」



紗夜は病を患っているとは思えないくらい元気よく飛び跳ねた。








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