クール女子と大泥棒が恋すると、




「そろそろ中に入ろう。」


「えぇー、もう?」


「寒いだろ?体に障る。」


「……じゃあ、部屋でトランプしよう?

さっき入り口の棚に置いてあったの見たから。」


「いいよ。」



紗夜が立ち上がった。




「みやのちとせぇぇぇぇぇぇ!!!!」




突然の尋常じゃない叫び声に声のする方を振り返った。





パァンッッッ!!





ざわついていた中庭の静寂と共に、

紗夜の細い体が地面に倒れた。








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