クール女子と大泥棒が恋すると、
「陽!」
私が呼ぶと、奥から陽が走ってやって来た。
しかし、私と一緒にいる宮野くんを見た瞬間、
陽の動きが止まった。
「……伊緒…………そいつ……。」
「この人は宮野くん。
いっぱいお金を持ってるクラスメイト。
今日から1週間一緒に住むことになった。」
「……いっぱいお金を持ってるクラスメイト、ってどんな紹介だよ……。」
宮野くんの文句は私にも、陽にも無視された。
「……一緒に……住む…………」
「そう。早く帰ろう。」
陽の手を取り、歩き出そうとしたが、陽は動かなかった。
「……陽?」
陽は私の手を離し、宮野くんの方に近づいた。