クール女子と大泥棒が恋すると、
「陽、出来たよ。スプーン出して。」
「うん。」
陽がちゃぶ台にスプーンを丁寧に並べる。
「おい宮野。」
「え……何?陽くん。」
「お前も手伝え。」
宮野くんも麦茶を並べるのを手伝い始めた。
「なんで瀬川は敬語で、弟の方がタメなんだよ……。」
「陽は敬語は滅多に使いません。
私の敬語が嫌ならやめますけど……。」
「同級だしいいよ。呼び方も千歳でいい。」
「そうやって伊緒に近づこうとしても無駄だぞ……。」
陽が正座する宮野くんの膝を両足で何度も蹴った。