だから私は雨の日が好き。【夏の章】※加筆修正版
「図解はもっとシンプルでわかりやすいものを比較して。それと、フォントサイズの確認してね」
「あ、スイマセン。確認します」
「それと文字の配置なんだけど―――――」
今まで言われたことのある注意点。
私は松山よりもよく知っている。
なので、その部分をゆっくり教えてあげればいいのだ。
全部を一度にわかってもらおうなんて思っていないので、ゆっくりでいい。
松山のペースで理解して、それを自分の物にしてくれれば。
そうすれば、おのずと効率なんて上がるものだと知っているから。
「そっかぁ!ありがとうございます!これで上手く出来そうです!」
「よかった。じゃあ、それひと段落したらお昼ご飯に行こう。仕方ないから奢ってあげるよ」
「いえいえっ!それは申し訳ないです・・・」
「いいから。先輩には遠慮しないの、OK?」
嬉しそうに、はい!と返事をして席に戻っていく。
この前のイベント以来、松山と篠木のやる気は格段に上がっている。
そのやる気に触発されて、私もなんだかやる気が出てきたように感じる。
体調が悪いのは仕方が無いので、お昼ご飯を食べたら薬を飲んでごまかそう。
ある程度まで企画書を進めてしまわなくては、と机に向かった。