だから私は雨の日が好き。【夏の章】※加筆修正版
お昼休みは、会社のすぐ近くにある定食屋さんに行くことにした。
動くのはちょっとキツイけれど、少し外にでないと気が紛れない。
松山は午前中フル活用していた頭をすっきりさせたいだろうし。
そのお店は、うちの社員がよく行くところで安くて量も多い。
暑い夏はもう少し続きそうなので、しっかりと体力をつけなくては。
会社を出ると抜けるような青空だった。
営業で外に出ているみんなは、暑くて大変だろうな、と思う。
まだまだ秋には程遠い天気だった。
お店に入るとお昼時ということもあって混雑していたものの、席にはすぐに案内してもらえた。
「少し早めに会社を出て正解でしたね」
「ほんとに。もう少し時間過ぎてたらたら待ってたかもね」
二人でメニューを覗き込む。
あれこれとメニューを探して見たけれど、結局日替わりランチを二つ頼むことにした。
テーブルに置かれた水は、あっという間に大粒の汗をかいていた。
「時雨さん、今日調子悪いですか?」
「え・・・?」
「いや、いつもとちょっと違うな、って」
「そう、かな」
「はい」
松山の突然の質問に驚いた。
唐突だったので、きょとんとして松山をじっと見てしまった。