だから私は雨の日が好き。【夏の章】※加筆修正版
「色が白いから淡い色のカクテルがいいですね。水色のAラインにしましょう。ウエストの細さを強調したほうが素敵ですから。ホワイトは少しボリュームがあってもいいかもしれません。身長、お高いですし」
「それしか特徴がないんですけど」
「いいえ。鎖骨も綺麗だから、それが栄えるようなドレスがいいと思います。ワンショルダーでポイントを付けて、レースの凝ったものなんてどうでしょう?変にデザインがあるよりも、王道の方が栄えると思います」
てきぱきとドレス選んで試着室に通される。
まずはカクテルドレスを着てヘアメイクをしてもらう。
まるで別人のようだった。
肩が出て鎖骨を強調するように胸元の開いた淡い水色のカクテルドレスは、ウエストの細さを強調してふんわりと裾が広がっている。
チューブトップのようになっているので、脇の余分なぜい肉が気になるかと思いきや。
それもカバーできるほどのデザインドレス。
骨盤のところ辺りからレースの花がドレスに巻きついているようになっている。
しっかりとフルアップにされた髪の毛にキリッとしたメイク。
三重になっているゴージャスなジュエリーを身につけて鏡の前に立つ。
自分が映っているはずなのに。
自分じゃないみたい。