だから私は雨の日が好き。【夏の章】※加筆修正版
七月半ば。
まだまだ暑くなる。
空が低く、雨の少ない季節。
晴れた日曜日に大きな洗濯物をしてしまおうと、シーツやタオルケットを洗濯機に入れる。
後でお布団をベランダで干そう、と決めた。
お日様の匂いのする布団は暑くてかぶることが出来ないけれど。
その香りだけで、気持ちがふわふわと軽くなるのは確かだった。
洗濯をしている間にお昼ご飯を作る。
暑い時に料理をするのはあまり好きではないが、やっぱり食べたいものは作らなければ。
冷蔵庫を開けて野菜を見渡す。
パプリカとたまねぎ、それと長ネギ。
違う引き出しにはしめじ、トマト、きゅうり。
確かうどんがあったはずだから冷やしうどんにしよう、と決めた。
キャミソールにホットパンツという涼しげな格好に、ポニーテールにまとめた髪。
このホットパンツ、いつから使っていたかな、と、ふと思う。
たしか、十年くらい前から使っているはずだ。
――――――あの頃はまだ高校生か――――――
身体に馴染んだそれは、さほど体系が変わっていない証拠のようで嬉しかった。
涼しい格好でも、動けば汗だくになるだろう。
覚悟を決めてキッチンに立った。