だから私は雨の日が好き。【夏の章】※加筆修正版
出来上がった冷やしうどんを食べながら、テレビのニュースを見る。
テレビを見るようになったのは、世の中の広告に目を向ける必要があったからだ。
テレビ番組なんかよりも、CMの方が気になってしまうこともある。
自分達の仕事ではない、大手企業の力をCMでは目の当たりにする。
それはそれで、いい刺激になるのだ。
せっかくのお休みに、だらだらと家で過ごす。
元来そこまで外に出て行くのが好きなわけではないので、寝休日なんてことは私にとってはいつものことだ。
色々と考えることがあっても、結局考えられずに寝てしまう。
けれど、そうすることを繰り返しているうちに夢の中で色々なことが解決されていくのかもしれない。
そうやって、今までもやってきたのだ。
食べ終わった食器を片付けて、ベランダにお布団を干す。
パンパンと叩いて埃を飛ばし、しっかりと布団バサミで抑えておく。
夕方、湿り気が出る前に家の中に取り込んであげよう。
洗濯物を干していると、携帯電話が鳴り出した。
休みの日に電話が鳴るなんて珍しいな、と思いながらディスプレイを見る。
『森川 輝』の文字。