シュシュ~番外編①~
「ただし!条件がある」

「…条件?」


小首をかしげる親父。ニヤリと笑うオレ。


「東吾を、秘書に付けることが条件だ」

「…東吾は、お前の幼なじみだったな」


「ああ」

「私は全く構わないが、東吾の返事次第だが?」

「親父の命令なら、逆らわないよ、東吾は」



「命令・・・ね。わかった、東吾はうちの建設課だったな?」

「あぁ」

…間もなくして、社長室に、東吾がやってきた。

一体何事かと言うような顔で、入ってきた東吾。


親父は少し申し訳なさそうな顔で、東吾を見つめた。


「星野社長、お話しとはなんでしょうか?とても大事な話だと伺いましたが」

「・・・ああ、凄く重大な事だ」


親父の言葉に、心なしか、東吾の背筋がピンとした気がした。


「東吾、龍之介が、4月から、この会社の社長に就任する事になった」

「そうなんですか?!それはめでたい、おめでとう龍之介」

まだ何もわかっていない東吾は微笑みそう言った。


「ありがとう、東吾」
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