シュシュ~番外編①~
「…付き合って、どれくらいになる?」

「…半年は過ぎた」


「半年も付き合ってて、sexもナシか?」

「?!・・・それが?」

一瞬驚いたが、そんなことを聞く意図が分からない。


「美織も可哀相に」

「・・・」


「好きな男に抱かれない事が、どれだけ不安をあおるか、

お前にはわからないんだろうな、龍之介」

そう言って溜息をついた東吾。


「好きだから、愛してるから、美織を大事にしてる。

体だけの関係がすべてじゃない、心が通じてこそその先の体がある。

オレはそう思ってる。それの何が悪い?」


「・・・まぁ、正論だな。・・・でもな?

愛されてる男に抱かれない女はきっと、惨めだぞ?

自分を愛していないのか?自分に魅力がないのかって、

きっと、美織は、不安でしょうがなかっただろうな・・・

まぁ、それももう終わりだ…女の気持ちも考えないようなお前に、

美織はやらない・・・大泉社長の方が、女の扱いは慣れてるだろうからな?」

そう言った東吾は、社長室を出ていった。


…ふざけんな。

確かに東吾に言われて、気づかされたことはある。

でも、大泉にだけは、美織はやらない。

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