シュシュ~番外編①~
気持ちも行動も、アイツに負けず劣らずに動いているといのに、

美織は全く、オレに何の連絡もよこさない。

マンションも、もうずっと帰っていないようで。

「なぜ、何も、言って来てくれない?」

そうボヤいて、大きな溜息をついた。


・・・そんな日が何日も過ぎ、

今夜は、料亭で接待があった。仕事を終わらせ、

いざ、その料亭を出ようとした時だった。


バッタリ、会ってしまった。…最愛の人に。


「…何でこんなところに?」

「・・・」

オレの問いかけには、全く応えようとせず、俯いてしまった、美織。

その行動に、腹が立って、もどかしくて、オレは美織を連れて、

料亭を連れ出そうとした。


「待ってください、私の大事な連れをどこへ連れ出す気ですか?」

その言葉にパッと振り返ると、そこには、オレの天敵が立っていた。


「・・・大泉要」

その顔を見た俺は更に怪訝な顔つきになった。


「今夜は私の大事な連れです。邪魔をしないでいただきたい」

「美織は、お前のもんじゃねえ…オレの大事な人だ」

オレの言葉に、大泉は鼻で笑った。

それに尚更腹が立つ。
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